認知症とは
脳の病気や障害によって、正常に働いていた脳の機能が低下、それによって記憶や思考などにも影響を与えてしまう疾患のことを「認知症」と言います。発症後は、次第に物事を記憶する能力や判断する能力、時間や場所・人などを認識する能力が下がっていくので、日常生活に大きな支障をきたすようになります。
また「認知症」は「物忘れ」と症状がよく似ていることから診断がつけにくいとも言われています。そのため、「物忘れ」の自覚があれば「認知機能検査」を受けられることをおすすめします。その結果、例え「認知症」と診断されたとしても早期の発見によって、その進行を遅らせることができるようになります。完治させることは現在の医療では困難ですが、早めの治療は大切です。
また年をとるほど「認知症」は発症しやすく、有病率については65歳以上70歳未満の方では1.5%ほどですが、85歳以上になると実に27%の方々が認知症患者であると言われています。また若い場合でも脳血管障害や若年性アルツハイマー病といった病気が引き金となって「認知症」を発症することがあります。なお、65歳未満で「認知症」を発症した場合は、「若年性認知症」と診断されます。
以下のような症状があれば一度ご相談ください
- もの忘れがひどい
- 場所や時聞がわからなくなる
- 人柄が変わってしまった
- 判断や理解力が低下している
- 何事にも意欲がみられない
- 不安感が強い
- 食事をしたことを覚えていない
認知症の種類について
認知症と一口にいっても、原因は一つではなく、いくつかの種類に分類されます。主なタイプとしては4つが挙げられ(四大認知症)、これらが認知症全体の約9割を占めるとされています。なお、その中で最も多いとされる「アルツハイマー型認知症」の患者は、60~70%を占めるとされ、2番目に多いとされる「血管性認知症」は20%ほどと言われています。
- アルツハイマー型認知症
- 女性の患者数が多いのが特徴です。発症のメカニズムとしては、脳内に特殊なたんぱく質(アミロイドβ など)が蓄積されることで脳の神経細胞が破壊されて減少、それによって脳の神経が情報をうまく伝えらず、機能異常を起こすのではないかと考えられています。
また、神経細胞が減ることで臓器でもある脳そのものが萎縮し、やがて脳の指令を受けている身体機能もだんだん失われるようになっていきます。 - 血管性認知症
- 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった脳血管疾患によって、脳細胞に酸素が十分に届かなくなり、やがて脳の神経細胞が減少することで発症する認知症です。
- レビー小体型認知症
- 脳の大脳皮質(物事を考える場所)や脳幹(生命活動を司る場所)にレビー小体(神経細胞にできる特殊なたんぱく質)が多くみられるのが特徴です。これらが多く集まっている場所では、脳の神経細胞が破壊され減少し、そのことによって認知症が発症するようになります。
- 前頭側頭型認知症
- 原因は特定されていませんが、前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ破壊されていくことで発送する認知症です。初期症状では、性格変化や行動異常がみられ、やがて言葉の理解ができなくなるなどの症状もみられます。若い世代の方に比較的よく見受けられ、「ピック病」と呼ばれることもあります。
治療について
現時点では、「認知症」が完治する治療法というのはありません。しかし、早期発見・早期治療を行うことで、病状の進行を遅らせることは可能です。その治療法につきまして、薬物療法と非薬物療法があります。薬物療法については、認知症のタイプによって治療法が異なります。
薬物療法
「アルツハイマー型認知症」では、脳の神経細胞が壊れることで起こる症状(記憶障害や見当識障害など)をできるだけ改善するようにします。そのため、病気の進行を遅らせる治療薬と、周辺症状(不安、焦り、怒り、興奮、妄想など)を抑える治療薬を使用します。
「血管性認知症」であれば、脳血管障害が再発することによる悪化が多いことから、「再発予防」に向けた治療が行われます。具体的には、脳血管障害の高リスク要因である、高血圧、糖尿病、心疾患などをきちんとコントロールしていくと共に、脳梗塞を再発させないための予防薬が用いられます。
このほか、意欲や自発性の低下、興奮などの症状がある場合に脳循環・代謝改善薬を使用することで効果が期待できることもあります。また抑うつ症状につきましては、抗うつ薬が使われることもあります。
非薬物療法
こちらは脳の活性化を薬物に頼らず、残っている認知機能や生活能力を高めていくという治療法になります。「認知症」と診断されたとしても、患者さんご自身が行えることはまだたくさん残っています。そのため、まずはご家庭内で本人の役割や出番(洗濯物をたたむ、食器を片づけるなど)をつくるようにし、前向きに日常生活を送ってもらうようにすることが大切です。
このほかにも、昔の出来事を思い出してもらう(回想法)、無理をしない範囲で書き物の音読や書き取り・計算ドリルを行う(認知リハビリテーション)、音楽鑑賞や演奏をする(音楽療法)、花や野菜を育てる(園芸療法)、リアリティ・オリエンテーション(現実見当識訓練:自分と自分のいる環境を正しく理解するための訓練)といった方法も効果的です。
さらにウォーキングなどの有酸素運動(運動療法)、動物と触れ合う(ペット療法)、レクリエーションといったことも効果があると言われています。
診療科目
- 心療内科・精神科・内科
住所
- 埼玉県川越市菅原町21番5 川越菅原ビル4F
アクセス
- 東武東上線川越駅徒歩4分
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FAX
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